停電

 本当は、Richard Gaddのパフォーマンスの感想を書こうと思っていたのだけど、そのインパクトに匹敵する、というか単純に物理的にブログ書けるわけねぇという昨夜、停電ですよ、停電。入居前からトラブル続きの寮なのはこれまで書いてきた通り(書ききれてない)なのだけど、さすがに2017年イングランド第二の都市と言われる街の新設の寮で、停電、とは。

 夜の9時ごろ、突然電気が消えて、充電のあるラップトップとスマホだけが煌々と輝く。廊下の明かりはついてるので、部屋のブレーカーか何かの不具合かと思い隣のフラットへ行くとそっちも停電。階下の住人も何事かとぞろぞろ出てきている。夜間の管理人が、今点検を呼んだからとアナウンス、確かにすぐ来てはくれたものの30分ほどたっても直る気配がない。この時点で電気だけでなく水道が使えないこともわかる。

 徐々に広まるやばいなぁという空気の中、じゃあもうパブ行こうぜという声が同じフロアの女子たちから上がり、私もそれに乗り、気づけば同じ棟の寮生が群れとなって避難。近場のパブのテラスからは寮の建物が見えるので、復旧したらすぐわかるし、と。

 1時間くらいかかるという話だったので、1パイント飲んで、一服して、あとはトイレ使えたらいいかくらいに思ってたものの、一向に明かりのつく気配はない。スモーカーが寄り集まり、お互いのタバコを一通り試しあうくらいにはヒマで(まだみんな自国から持ってきたタバコが残っている)、中国からの男子学生がどんどん酒を頼んでくるのに合わせ中国式干杯で一気飲みする程度には飲んだくれていた(この時一番景気よくコールをしていた中国人のアビーはその後パブのトイレで携帯を落としたらしい…)。怪我の功名というのか、すれ違う時に挨拶する程度だったご近所さん達と親しくなるきっかけになったのは良かった。

 はしゃいでばかりでもなく、真剣にクレーム送ることも考えないとね、という話もしている。うちの棟の入居者は留学生中心で、いやな話だが足元を見られているような対応を感じることは正直少なくない(出ていこうにも外国人にとって引っ越しのハードルは当然ながら高い)。この手のトラブルが少ないと思って寮に入ったのになぁとぼんやり思うものの、いやそもそもどこ持ちのフラットに入っても停電断水はねーだろ、と思い直す。

 ようやく棟の明かりがついたし、パブもそろそろ閉まるからと寮に戻って、部屋の電気や暖房がついたことにほっとする、もつかの間、水道が復旧してない。日付変わって日曜の深夜、もはや出来ることはないと顔も洗わずにベッドへ。翌朝10時、ようやくポンプが動く…。