Beginning by David Eldridge at Ambassadors Theatre

観劇日:2018年2月3日15時

演出:Polly Findley

 

初エルドリッジ。*1

パーティ後に居残った男女二人のミドルエイジロマンスな二人芝居。特別目立った仕掛けがあるわけでもなく、笑いもそこここに散りばめられていて、良質な会話劇という感じ。(しかし私はこの笑いとるシーンが全くツボにはまらず(周囲のお客さんはウケてる)根本的なユーモアのセンスが彼とずれている、という認識に現在のところ至っております。)

今どきっちゃ今どきだけれど、恋愛関係への発展を妨げる要因は男性の側にあり、女性の側が関係をリードしようという展開は、個人的には嫌いではないものの、この作品の状況では微妙に思える。バリアの一つが男性サイドの性行為(とおそらく望まぬ妊娠)への抵抗なのだけれど、無理して一夜限りでどうにかせんでも、パーティで酒入ってんだし、酔いを醒まして後日仕切り直しで良くないか?と、自分が笑いに乗れないせいか、妙に冷静に考えてしまう。

「弱者男性」フォローというと言いすぎかもしれないが、とても現代的な(また都会的な)男女観と、定番鉄板なヘテロロマンスの折衷案のような展開で、その意味でとても今風だと言えると思うけれど、個人的にはこういう関係ってつまらないと思うのよね、とぼんやりする鑑賞後。男のありようが変わっても、昔ながらのロマンスが上手くいくっていうのはちょっと出来過ぎた話だと思う。

基本的に、知らない作家の作品は良し悪し好みを問わずとにかく3本観て、その後追っかけるかどうか決めるというのが信条なので、あと2本は観ますエルドリッジ。

 

追記:唐突に思い出したので。ちょっと話題は飛ぶんですが、今(2018年2月14日時点)で  というイラストお題 *2 のタグがツイッターで流行っていて、これめっちゃ面白いなと思いながら眺めてるんですが。ここに出てくるような理想の女性/母親像や(すなわちスーパーウーマンかつマッチョ思考ではないシングルマザー)、このタグのイラスト群に父親的存在(魔女の恋人やパートナーさえ出てこない)が根本的に欠けてることの重要性に関わるような異性愛関係のオルタナティヴなヴィジョンってこの芝居にないんですよ。ドラマの生成に男女の対が必要なのが前提になってる。そこが多分、今っぽいけどつまらないって感じる大きな理由だと思う。

 

 

 

 

*1:正確にはA Thounsand Stars Explode in the Sky(邦題は『千に砕け散る空の星』)の日本公演を観ているので、初対面ではないけれど、単独作品としては。

*2:不老不死の魔女が男児の捨て子を拾い育て、その子が大人になって魔女と二人で幸せに暮らしているという設定で二枚以上(子の成長前と成長後)のイラストをアップするもの。設定のバリエーションは広がってるんですが(動物や魔物を拾ったり、女児を拾ったり、魔女との恋愛関係を匂わせたり、魔女狩りを絡めたり)、男性魔法使いが男児を拾うというパターンは見つからない。タグ分けてるのかな。