エジンバラフェスティバル要チェック作品リストのリスト2019年編

 

今年もやってまいりました、エジンバラフェスティバルフリンジ&エジンバラインターナショナルフェスティバル。電話帳並みの分厚さたる公式プログラムからいかに面白い演目と巡り合うか、そのガイドとなるべく各メディア要チェック作品リストを出しています。そのリストのリストが今回の記事です。来年私が参考にするべく独断と偏見に基づいて書いているものですが、今年はブリティッシュカウンシルのショーケースの年でもあるので、この機会に初めてエジンバラにいらっしゃる方の参考にもなればと思います。(私個人のチェックリストはウェブにあげる予定はありません。知人友人で興味がある方は個別にご連絡ください。)

基本的に、二つ以上の記事で紹介されているものは要チェックに入れていいと思います。

今年はTraverseのチケットの動きが早いです(7月16日時点)。この劇場は公演時間が変則的なので予定が固まり次第購入してもいいかもしれません。

ブリティッシュカウンシルショーケースに関しては多くの推薦作が去年のエジンバラやこの一年ロンドン他各地で上演されているので、そのレビューも参考にしてみてください。

フリンジの公式ページから各演目の完売日が確認できます。気になる作品は売れ行きを見つつというのも一つの手です。もちろん何よりも確実な情報はプレビュー以降、各批評家が上げるレビューと観客の口コミです。会期後半から参加の場合はひとまず初日を待つのも作戦。

あとは博打です。

 

ざっとリストを眺めた印象ですが、パフォーマンス系のSummer Hall一極集中が崩れてきてるっぽいのが気になります(Assembly RoxyやPleasance系へ散ってる)。テーマ的にはブレクジットものが盛り上がるのか静観なのかは結構気になるところ。それから、インターナショナルフェスティバルが今年はかなり充実した内容です。批評家たちの注目も熱い。単に欧州の話題作呼んだねって感じじゃなくて、スコットランド内外へも目配りのきいたプログラムのように思います。あと、去年は演劇・パフォーマンス系が夕方以降のスロットに集中していて、コメディ系とのすり合わせにすごい苦労した記憶があるんですが、今年は午後全体に上手くばらけてくれてるように思います(だからといって組みやすくなるかというとそれは別問題なのですが…)。なんだったんですかね、去年の夜型スケジュール。

まだリストが出ていない媒体があるので、随時追加します。(スコッツマンとかは去年も割と遅かったような。)

 

 

stagedoorapp.com

我らがリン・ガードナー先生、昨秋からstagedoorというウェブ媒体に所属されました。シアター、ダンスを中心としたおすすめが、公開日ごとに10作ずつ計50作品がっつり並んでいます。(ブラウザからでも見れますが、メインはスマホアプリです。アンドロイドだとちょい使いにくいのですが、よろしければダウンロードを。)メインストリームからアヴァンギャルドまでジャンルを問わずカバーする批評眼の持ち主ですが、個人的には、実験的作品や若手の作品に対する彼女の評価には絶対的な信頼を置いています。

開幕後のレビューもここ発信のようなので随時チェックしてみてください。あと前回も書いたと思うんですけど、ガードナーさん、所属メディアに書ききれない感想はツイッターに流します。私は去年、彼女のツイートからMechanimalってアタリを引いたので、とにかく会期中は彼女の動向から目を離してはなりません。

 

www.theguardian.com安パイなガーディアン。シアター、ダンス、コメディから50作品チョイスです。わりと網羅的な気がするので、趣味に合わなさそうなやつは己の勘を信じて外してください。シアター系のレビュアーはおそらく現地もおなじくマーク・フィッシャーさんかな。好みの問題もありますが、バランスが良くて私は割と相性が良い批評家さんです。

 

www.theguardian.comガーディアンは割と早い時期にマストシー10作リストも出してます。こちらは既に上演された作品(フリンジでは再演)となるものが中心かと。上の記事と重複はないようなのでご参考までに。

 

www.standard.co.ukイヴニングスタンダード。記事担当の批評家さんは存じ上げないのですが、数は少ないものの注目ラインはガードナーさんあたりと近いかと。

 

www.thetimes.co.ukすみません、タイムズは有料になっちゃったので見てないです…。リンクだけ。

 

edinburghfestival.list.co.uk

エジンバラのエンタメ情報誌LISTの記事が今年は熱い(気が。去年見落としてたらすみません汗)。リンクを張ったのは注目トップ10の記事ですが、他にも、LGBTQI+、男性性、自伝的パフォーマンス、メンタルヘルス、宗教などなどテーマ別の注目作リストもあります。LISTは会期中、Top Ratedというレビュー数/星の数の作品ランキングも出しています。

 

www.timeout.comロンドンのエンタメ情報誌Time Outのリスト。ルコフスキーさんのレビューは(口悪いけど)手堅いです。舞台芸術をあまり見慣れていない、あるいはフリンジのようなフェスティバルには初参加、という方はまずここを参考にするのがいいと思います。たぶん、外れないです。

 

edinburghshowcase.britishcouncil.org隔年開催されるブリティッシュカウンシルによるエジンバラショーケースの推薦作品。舞台芸術関係者のためのショーケースですが、推薦作は一般にも公開されており、チケットもフリンジのサイトから普通に買うことが出来ます。公募から選ばれた英国製作のシアター、ダンス作品が対象で、再演作、EIF参加作品も含みます。こちらも手堅いですが、個人的にはシアターに関してはTime Outのセンスの方が好み。

 

www.chortle.co.ukコメディ媒体Chortleです。今年はテーマ別におすすめリストを出してますが、演劇畑的に注目なのはこのリストかしらと。私、小声でしつこく言ってんですが、フリンジではジャンル横断的な(あるいはジャンルを定義しにくい)作品がわりと多いです。コメディと演劇・パフォーマンスは、その意味で両方の観客層に刺さる作品が出がちなので、コメディに興味なくても少し注意を向けておくといいかもしれません。もちろんコメディファンの人は、他のおすすめ記事も要チェックです。

 

www.gojohnnygogogo2.comお世話になっております、イナムラさんのコメディブログ。今年も要チェックリストが出ました。日本語で読める数少ない英コメディ情報源だと思います。コメディ枠だと、若手ベテラン問わずフリンジレギュラー参加という人も結構いるので、これだけでなく過去のフリンジ関係の記事にも目を通すと好みの演目を探しやすいと思います。あと、フリンジコメディジャンルのこの数年の動向(フリーフリンジからチケット制の小屋へ回帰とか)についての記事も、シアター系とはわりと違うポリティクスが動いているんだなととても興味深いです。

(ところで、イナムラさんとわたくし、この6月に今をときめく若手コメディアンJames Acasterのライブをわざわざ彼のホームタウンであるケタリングへ見に行くという弾丸ツアーに出ており、その珍道中の模様もまとめていただいてます。ちなみにAcasterさんは今年フリンジには来ません。)

www.gojohnnygogogo2.com

 

*以降、目ぼしい記事があれば追記します。

 

 

おまけ。

このブログの去年のエジンバラ関連記事。

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