五日目

 ようやく諸々の手続きがひと段落してきたころ、少し嫌なことがあって、「あの辛さ」を久々に思い出した。

 ノンネイティブの日本人として欧米の人と接するハードルは、私にとってすごく高い。

 今までイギリス(ないし欧州)に来た時にも程度の差はあれ当然感じていたことで、もちろん前回留学時の秋ごろなどはこの苦悩の真っただ中にいたわけなのだが。とはいえ、初留学ショックではいろんな辛さとごっちゃになっていたり、短期の滞在では、そんなもんか、と流してしまっていたりで、案外忘れてしまうものなのだなぁとぼんやりと思う。だからこそ、良くも悪くも怯え構えることなく新歓ウィークを過ごしていたわけだけれど。

 何があったかの仔細は書くつもりはないが、私の英語力だったり人種や性別だったり、あるいは性格や態度だったりが原因なのだろうし、相手もまた何かしらの問題を抱えていたのだろう。差別というほどのことではないのだろうが、何も感じなかったかといえばうそになる。たまたまかもしれない。だが、この辛さには特有の痛みがある。どうすることもできないので、ひとまず固く誓うのは、自分が帰国した時に同じことは繰り返さないということか。

 こんなの当たり前じゃん、みんな辛いよね、あるある、と言ってしまえばそれまでのことなのだけど、つらい時はつらいのだ。

 ネガティブなことばかり書いているのもどうかと思うが(さすがにまだ芝居や美術館に行ったりする余裕はない…)それも日記なのだし、今この時点でこう感じているということは書き残しておこうと思う。数か月先か一年先かの自分がこれを読んで、恥ずかしくなって記事を消していてくれたらいいと思う。